みなさん、こんにちは。
第1のステップの「自分でとりくむアプローチ」、いかがでしたか。新しい発見、気付きがあったなら、それは根っこに近づいている証拠です。では第2回目は、「他者の目線を取り入れたアプローチ」をご紹介します。
他者の目線がなぜ必要なのでしょうか。
それは、業界内や社内の常識の中で日々を過ごしていると、知らぬ間に視野が狭まったり、思い込みに走ったりしがちだからです。
そこで、ブランディングの対象物となる企業、商品、又は地域の産品が、他者(すなわち取引者や需要者)にどんなふうに見えているのか、どんなイメージが形成されているのか、取引者や需要者等のニーズについて、リサーチすることをお勧めします。
なぜならば、その時点の対象物の立ち位置(前提)を他者目線で見つめることで、目指したい方向性と他者の持つイメージとのギャップ、維持すべき点、更新や改良が必要な点、課題(商品・サービスそのもの、又はコミュニケーション)等を客観的に把握することができるからです。
この種のリサーチは、大きく2つの手法に分けられます。
(1)対面での調査
実際にターゲット層に属する方と対面して、調査を実施するものです。定性調査(少ない人数で実施するもの)は、個別インタビューや座談会方式が知られています。一方定量調査は、定性調査よりも多くのターゲットを集めて(例えば、100人~)会場に来てもらい、実物を見てアンケートに答えてもらう方式などが知られています。顧客と接点をもつことができる、生の声を聞ける、というメリットがあります。
大阪市内の中小企業の皆さまへ―耳より情報 大阪産業創造館で提供されている「サンソウカンdeモニター会(以下、モニター会)」というサービスをご存じですか? 30~50代女性を中心とするモニター会員を対象に低価格で消費者調査(定性調査や定量調査)を行えるサービスです。私は、本モニター会のモデレーター(司会)役として、お客様の調査に立ち会う機会を頂きました。本モニター会の実施によって、お客様はブランディングの際に、フォーカスすべきポイントが明確となり、方向性について確信を深められることになりました。 本モニター会の利用には一定の条件があります。詳細は、大阪産業創造館サンソウカンdeモニター会事務局までお問い合わせください。 https://www.sansokan.jp/monitor/irai/ 電話06-6264-9906(受付時間:平日10:00~17:30(祝日除く) |
(2)ウェブでの調査
文字通り、オンライン上で対象者にアンケートに答えてもらう方式の調査手法です。メリットとしては、ウェブ上で完結すること、調査実施から結果の入手までが、比較的短期間であることです。
その他、公表された調査資料の文献調査も併せて活用できます。すべての調査を自社で実施しなくても、市場環境や消費者動向については、関係省庁や業界団体の基礎資料として無料で公開されていることもあります。また、専門調査会社が発行している有料の調査レポートなども活用できます。内容によっては、一から自社で調査を実施するよりも有料の調査レポートを購入するほうがずっと安価な場合もあります。
以上で、他者の目線を取り入れたアプローチは完成です。
リサーチはあくまでブランディングの対象物からさかのぼって「根っこ」を見つけるためのプロセスの一つです。ですから、どのような仮説を立ててリサーチを実施するか、という点も重要です。
次回は、「第3のステップ 情報の整理」をお届けします。
どうぞお楽しみに。