みなさん、こんにちは。
これまで第1のステップとして、まず自分個人で「根っこ」を調べる方法について、第2のステップとして、取引先や需要者の目から見た自社や商品等の感じ方、見え方を調べる方法について、第3のステップとして、「情報の整理」について、お話ししてきました。
今回は、いよいよ大詰め。デザイナー さんとの付き合い方についてお話したいとおもいます。
1.良いコミュニケーションが成果につながる
私のこれまでの経験上、デザイナーさんとスムーズに仕事が運ばないケースは、大抵の場合コミュニケーション不足が原因です。
クライアントさんの心の中では、こんな風に考えているかもしれません。「知り合いの知り合いにお願いしたときは、うまくいかなかったけど・・・今度こそセンス良く、おしゃれなものができてくるはず。当社はデザインにこだわりがあるから、納得できるまで提案してほしい。デザインの相場も良くわからないけど、できるだけ安く仕上げてほしい。完成したデザインは、様々な媒体で使うし、マネされたくないから、意匠登録や、商標登録も考えているよ。」
一方、デザイナーさんは「おしゃれなデザイン!漠然としたリクエストやね。どうやら前に別のデザイナーさんに依頼されていたようだけど、何が気に入らなかったのだろう、別に悪いデザインでないしね。これ以外のデザインで、予算内に仕上げるってことか(溜息)・・・」
腹の探りあいや、もやもやしたままでは、良い仕事はできません。ここは正直かつオープンマインドでゆきましょう。そして、円滑なコミュニケーションを通じて、デザイナーさんとの間で、価値の基礎、良し悪しの基準である「根っこ」の理解を徹底的に共有することです。この際に、第3のステップで整理した情報が活きてくるわけなのです。
2.決めごとは契約書の中に定めておこう
初めての依頼となるケースでは、初回面談のあとに、正式な見積もりを依頼することになるでしょう。その際、詳細な業務委託の条件を提示しなければ、正確な費用、期間は出せない、ということがご理解いただけると思います。
契約書は、デザイナーさん側から提示される場合もありますし、ない場合は弁護士さんに。相談して自社専用のテンプレートを作ってしまうのもよいと思います。「デザイナー・中小企業のためのデザイン契約のポイント」という資料の中には、わかりやすく留意点が説明されています。どうぞご参考になさってください。
https://www.kansai.meti.go.jp/2tokkyo/02shiensaku/guide/2017design_houkoku.pdf
「デザイナー・中小企業のためのデザイン契約のポイント」
発行:経済産業省 近畿経済産業局 地域経済部 産業技術課 知的財産室(2018年2月発行)
3.デザイナーさんを探している方へ<公的/専門機関の活用法>
身近にデザイナーさんの心当たりがない方は、公的機関を通じて探すこともできます。
たとえば大阪では、特徴の異なる2つの機関があります。いずれも全国の方がご利用いただけます。
(1) 一般財団法人大阪デザインセンター「中小企業のためのデザイン相談」
ポイント
- 経験豊富なコーディネーターが、相談・カウンセリングを担当。
- デザイン会社を3社程度紹介してもらえ、相性や条件などを比較検討できます。
- プロダクトデザインができるデザイナーさんも在籍。
創立60周年を超える歴史に裏付けられた、日本で最初の公設のデザインセンターです。デザインに関するどんな些細なことでも、的確に答えていただけるコーディネーターさんが在籍しておられます。初めての方でも安心してご相談いただけます。
〒541-0055 大阪市中央区船場中央1-3-2-101 船場センタービル2号館1階 電話 06-6265-2260 開館時間:10:00~18:00 休日:土・日・祝および年末年始 |
(2) クリエイティブネットワークセンター大阪(MEBIC)
ポイント
- 出会い方、つながり方を教えてもらえる、但し、動くのは自分自身です。
- 比較的若手のクリエイターさんが多く集まっている。
- クリエイター募集プレゼンができる(約15分)、思いのたけをアピール可能!
デザイナーさんに限らず、フォトグラファーさん、動画クリエイターさん、ライターさんなど幅広いジャンルのクリエイターさんに出会える場です。イベント等に積極的に参加して、ビジネスマインドの会う方との出会い、どんどん求めてみてくださいね。
〒541-0053大阪市中央区本町1-4-5大阪産業創造館17F 電話06-4708-6114 開館時間:10:00〜21:30 休日:土・日・祝および年末年始 |
以上で、デザイナーさんとの付き合い方についてのお話は終わりです。
次回は「第5のステップ 試行錯誤で磨き上げるストーリー」をお届けします。
どうぞお楽しみに。