ものづくりに関わる中小企業や工芸品産地など、一定の産業集積がみられる地域を中心に、企業単独ではなく、地域内の企業等が面として集まり、地域を一体的に見せていく「地域一体型オープンファクトリー」。
 開催する地域社会(住民)にとっては、自らのまちの魅力や奥行きを再認識する契機となり、企業にとっては、地域社会と新しい接点を持つことで、 地域の企業としての意識(ローカル・カンパニー・プライド)の芽生えやイノベーティブな着想を得る機会につながっています。 
 本フォーラムが、他地域での先駆的事例を知る機会としてご活用いただくと共に、クロストークを繰り広げることで、皆様の新事業へのヒントや新たな繋がりの創出、地域におけるオープンイノベーションの推進を目指します。地元企業の皆様だけでなく、これから「オープンファクトリー」に取り組みたいと考えておられる近隣エリアの企業の皆様、自治体、金融機関など支援機関の皆様の幅広いご参加をお待ちしております。

プログラム内容

14:05~14:50 〈基調講演:オープンファクトリーによる産地革新の越境と知識移転 〉

京都橘大学 経営学部
准教授
丸山 一芳

伝統産地のイノベーションを紐解きながら、全国の地域一体型オープンファクトリーの事例と考察についてご紹介いただきます。

博士(知識科学、国立大学法人北陸先端科学技術大学院大学)。新潟市生まれ。松下電器産業㈱、㈱リクルート リクルートワークス研究所客員研究員、事業創造大学院大学等を経て現職。著書に『地域産業のイノベーションと流通戦略』千倉書房(共著)ほか。


15:00~16:10 〈SESSION 1:ものづくりが紡ぐ地域との繋がりと“波及”〉

    • 桑名市産業観光
      まちづくり協議会
      生駒 健二
      エイベックス株式会社 
      執行役員

    1996年に新卒第1期生としてエイベックス(株)に入社。主として営業部門を担当。2005年に同社の執行役員に就任したのち、2015年には子会社(株)イクシーの代表取締役を兼任。またエイベックス(株)において桑名まちづくり協議会を立ち上げ、年間4000名以上の海外顧客のオープンファクトリーを地域全体(他企業・商業施設・学校等)で引き受けることで、ものづくり企業でありながら、産業観光事業を確立。この取組が第11回産業観光まちづくり大賞にて金賞を受賞した。現在では全国産業観光推進協議会の執行委員会の委員にも就任し、産業観光の普及や推進に尽力している。

    • FactorISM 副実行委員長
      友安 啓則
      株式会社友安製作所 
      代表取締役社長

    高校1年からアメリカへ留学、City University of Seattleにて経営学修士M.B.Aを取得。2004年に帰国後父親が営む友安製作所に入社。インテリア輸入商材の販売やWEB事業部の立ち上げなどを経て、2016年2月に代表取締役社長に就任。東京・大阪・福岡にて「友安製作所Cafe」も運営する。大阪府下5市の企業を巻き込んだ広域型オープンファクトリーイベント、FactorISMの副実行委員長を務める。「こうばはまちのエンターテイメント」を合言葉に、多種多様な業種、そして多様な規模の企業と共に共創プロジェクトを2020年度から始動させた。

    • こもガク(三重県菰野町)実行委員会
      山口 典宏
      有限会社 山口陶器 代表取締役

    1975年生まれ。地元の大手化学メーカーで会社員を経験した後、2003年萬古焼の窯元である家業の㈲山口陶器に入社。2010年代表に就任した後、今までの萬古焼にない現代的なデザインや新しいライフスタイルの提案に挑戦するなど新分野を開拓し、2014年オリジナルブランド「かもしか道具店」を立ち上げた。また産地を残すために観光の必要性も感じ、地域事業者の有志と共にこもガク実行委員会を立ち上げ「こもガク祭」を開催。委員長就任中は「こもガク×大日本市博覧会」を収めるなど、活動の場を広げながら現在も地域の一番星として産地を次世代に残すための活動に力を注ぐ。

■モデレーター

  • 近畿経済産業局 中小企業政策調査課 総括係長
    津田 哲史
  • 中部経済産業局 製造産業課 総括係長
    伊藤 大介

16:20~17:30 〈SESSION 2:新たな地域産業観光の可能性〉

    • 株式会社能作 
      専務取締役
      能作 千春

    1986年富山県高岡市の能作家の長女として生まれる。大学卒業後、神戸市内のアパレル関連会社で通販誌の編集に携わる。当時憧れていた上司が神戸のセレクトショップで見つけてきた能作の錫製品に驚き、家業に戻ることを決意。2010年株式会社能作入社。現場の知識を身につけるとともに受注業務等に携わり、受注から納品までの体制を整えた。2013年結婚後は、2児の母親として育児も両立しながら、2016年取締役に就任。新社屋移転にともない、産業観光部長として新規事業を立ち上げる。2018年10月専務取締役に就任し現在は能作の“顔”として会社のPR活動に意欲的に取り組んでいる。

    • TSUGI llc.
      (合同会社ツギ)代表
      新山 直広

    1985年大阪府生まれ。京都精華大学デザイン学科建築分野にて建築を学んだのち2009年福井県鯖江市に移住。応用芸術研究所、鯖江市役所を経て2015年TSUGIを設立。デザイン・ものづくり・地域といった領域を横断しながら、商品開発や販路開拓までを一貫して行い、自社ブランドをはじめ、「SAVA!STORE」「RENEW」の運営など、創造的な産地づくりを行っている。2015年よりRENEWディレクター、2018年より京都精華大学伝統産業イノベーションセンター特別研究員を務める。

    • 株式会社うなぎの寝床
      代表取締役
      白水 高広

    1985年佐賀県小城市生まれ。2009年厚生労働省の雇用創出事業「九州ちくご元気計画」に関わり2年半プロジェクトの主任推進員として動く。同事業は2011年グッドデザイン賞商工会議所会頭賞を受賞。その後2012年7月にアンテナショップうなぎの寝床を立ち上げるとともに、地域に足りない要素や機能を考え実装する地域文化商社として成長させた。他地域の行政や組合のコンサルティングや企画も行っている。地域文化の本質に触れることができる体験やサービス、情報を提供するために2019年7月に(株)UNAラボラトリーズも立ち上げ地域の魅力を伝えるガイドブックやツアー企画を行っている。

    • 一般社団法人
      日本工芸産地協会
      理事・事務局長
      原岡 知宏

    1974年生まれ。大阪市内で人形製造卸業を営む家庭で育つ。2003年株式会社中川政七商店に入社し、生活雑貨事業の生産管理体制の構築、卸売部門のマネジメント、管理部門等ガバナンス構築などに携わる。2015年には同社取締役管理部部長を務める。2017年に日本工芸産地協会の設立に参画。2018年より同協会理事に就任し、2021年11月には史上初の工芸産地体験型イベント「日本工芸産地博覧会 大阪2021」を大阪万博記念公園にて開催。2025年の大阪・関西万博での取り組みも見据えながら、さらなる工芸の発展を目指し尽力している。

■モデレーター

  • 近畿経済産業局 中小企業政策調査課 総括係長
    津田 哲史
  • 九州経済産業局 製造産業課 伝統工芸品産業係長
    栢田 真理子
※お申込みされた方へ開催日前日に視聴用URLをお送りします。