JR環状線「寺田町」駅から徒歩7~8分、生野本通り商店街から路地に入ると、見えてくるのが源ヶ橋温泉だ。
タイル壁にステンドグラス、洋風釉薬瓦という、銭湯では国内初の国の登録有形文化財に登録されるにふさわしい佇まいの建物が出迎えてくれる。
「入浴」と「ニューヨーク」をかけた自由の女神像やしゃちほこがある外観や中庭をのぞむ脱衣場、石畳を敷き詰めた広い浴室など、まさしく「キングオブ大阪銭湯」の風格。
「源ヶ橋」とかかれた石碑が玄関先にあるが、こちらは生野区の民話に由来している。
民話のあらすじは、猫間川の渡し守をしている「源」という悪党が誤ってわが子を殺してしまった。その罪滅ぼしをしようと源さんは 猫間川に素晴らしい橋を架けた。 人々は、善人になった「源さん」に因んで、そこを「源ケ橋」と名づけたというものだ。
源ヶ橋温泉では、その民話の源ヶ橋の親柱と同じ石碑を看板にしている。とても粋だ。
玄関だけでも、「男」、「女」の金色のフォント、番台の石材、木材、ガラスの素材の組み合わせ、天井や照明など、数百円で入れる銭湯とは思えぬほどの豪華さ。
大阪銭湯でよく見かけるのがこの箱。靴箱かと思いきや、実は傘入れ。男性用、女性用に分かれていて、鍵の2羽のオシドリが可愛い。
どのように傘を収納するかは是非、現地で確認して欲しい。
さて、脱衣場に入ると、真っ先に天井が目に入る。玄関の数倍気合いが入った天井でびっくり!!
天井の傷みが激しく、オーナーはペンキで塗っても剥がれてしまうと嘆いていたが、圧巻である。
玄関側を振り返ると、日本庭園が見える。まるで、旅館のよう。
春には男湯前栽の桜が満開になるので見物だ。
風呂場は石畳でつくられている。
レトロな景色とは裏腹に、座浴ジェット、スチームサウナと水風呂、薬風呂、電気風呂と、機能も十分。
細部のこだわりもすごい!!どこの写真を掲載しているか、是非現地で確認して欲しい。
昔は2階にダンスホールやビヤホールがあったらしい。もう少し早く生まれていれば遊びも楽しめたのに残念!!
「ゆ」の特製「縦長のれん」が営業中の目印。
この「ゆ」ののれんは正月だけ特別バージョンになるそうだ。
是非、のんびり建築とお風呂を楽しんで欲しい建物である。